教養としての社会保障

社会保障をマクロミクロ両方の視点から書かれており分かりやすかった。 以下、要約してみました。 現在の少子化、高齢化、人口減少、低い経済成長率による影響で社会の構造が大きく変わっている。構造が変わっているのだから社会保障も変わる必要がある。 また日本の巨額の赤字はGDPの2倍近くとなっておりこれ以上後世になすりつけられない。 社会保障は増え続けているが貧困救済以外にも経済を動かす働きももつため減らす方向は考えにくい。 そうするとまず借金で賄っている分を保険料で賄う必要がある。負担なくして保障なし、増税は必須だとよく分かる。 そして労働人口の減少と少子化の対策として女性の負担は大きくなる。具体的には、これから20年間のために女性の労働が必要であり、20年後のために子供を増やすことも必要。そのためには、社会、企業、家庭で女性が活躍できる環境を整えなければいけない。 また高齢化に関しては1961年に制度ができた頃から平均寿命が10-13年延びている。今言われている70歳までの働こうというのもこの原理だろう。さらに高齢者の貯蓄は引退後に減るのではなく増えている。不安をなくし消費を促したり、全ての高齢者に給付するのではなく高齢者自身にも助け合う制度が必要。（高齢化で増えるのは年金だけでなく医療や福祉の負担も増える。） 最後に賃金の二極化も社会保障の負担を大きくしている。現金支給するだけでなく、教育訓練を受けさせることで肉体労働をしていた人が知識労働できるようにしたり、全人口が活躍できるようにする教育の仕組づくりも必要である。

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