グリーン革命(下)増補改訂版
温暖化、フラット化、人口過密化する世界
トマス・L.フリードマン / 伏見威蕃
2010年6月30日
日経BPM(日本経済新聞出版本部)
2,200円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 科学・技術
いまアメリカと世界は環境規制、排ガス規制、省エネ基準を強化する政策を採用し、日本を追いかけようとしている。太陽力、風力、潮力、水力など再生可能エネルギーへの投資、ハイブリッド車、電気自動車、水素自動車など新しい自動車の開発、省エネビルの建設、高速度鉄道の新設…次なるグローバル産業はすべてグリーンから生まれるからだ。この得意分野で日本の優位を保ち、21世紀の雇用と経済的繁栄を創り出せるか。
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すけ
環境問題の影響を最も受ける人々は投票しない。 なぜなら、まだ生まれていないからだ。
<ザックリ概要・レビュー> 15年前、オバマ大統領が選出される前年に執筆された、環境啓発本。 本書で著者フリードマンは、「温暖化」「フラット化」「人口過密化」する世界において意識・行動すべきことを、「冷静な楽観主義者」と名乗り淡々と説明している。 フラット化、という単語は聞き覚えがなかったが、著者の定義としては、グローバル化によって国と国との境界線が曖昧になり、市場を含む様々な土俵が平らになること、を指すらしい。 すなわち、世界中に増え過ぎた人口が「温暖化」が出会うことで、我々人類は地球環境にこれまで以上の負荷をかけ、瞬く間に後戻りできない状態に突入してしまう、という論旨である。 中でも著者が憂慮していたのは、中国をはじめとする新興国の「アメリカ化」である。 ここ数十年に渡り大量のCO2を吐き出してきたアメリカ含む先進国を追うように、中国やインドなどが急成長を遂げ、環境汚染がグッと加速している、指摘する。 従って、著者は一貫した論として、環境問題は「技術」より寧ろ「政治側」からのアプローチが必要だと述べている。個人的に、上下巻ともにそれを意識した構成だなと感じた。 その主張は至極その通りで、いくら技術が発達しようが、市場が未発達だったり法による従来型の規制が行われなければ焼け石に水となる。 その意味で著者は、表層的な技術的革命だけでなく、私たちのような大衆が政治自体をグリーンに変えることの重要性を、全体を通して主張していたのだと思う。まさに、「革命」である。 革命の主役はいつでも、歴史を見れば明白なように、一般大衆である。 これを15年前に著したフリードマンは2022年現在、何を思っているのだろうか。 地球の運命が懸かる「グリーン革命」を推し進める責任は、他でもない我々にある。 ------------------ <感想> 上述の通り、どちらかというと政治的議論の多かった本書であるが、その中でも気になった一節を紹介したい。 「民主主義は、複雑性を乗り切れるか?」 著者は、「中国」と名付けた章において、グリーン政策に関してはアメリカより中国の方が政策決定過程が迅速で、実施率も高いと述べ、その理由として双方の政治体制を挙げている。 出た法案に議論に議論を重ね、いざ実行開始と思ったらリーダーが交代して水の泡…のように、現時点の特に分断の進んだアメリカのような民主主義だと、国民一丸となってスピーディな行動に結び付きづらい節があるのではないだろうか。 かといって、中国のような一党体制が完璧かというとそれも違う。 そして何より、環境問題は一国だけでなく世界の問題である。世界が同じ目標に向かって一丸となって突き進むのは、「予防段階」では無理なのだろうか。 結局戦争時のように、「起きてから」なのだろうか。 じゃあ世界は、何が起きるのを待っているのだろうか? こう考えを膨らませていくと、現政府への不信感と未来への不安が、激しく募る。
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