胡椒 暴虐の世界史

マージョリー・シェファー

2014年12月25日

白水社

2,640円(税込)

ビジネス・経済・就職 / 美容・暮らし・健康・料理

人びとはなぜ、血眼になって黒胡椒を求め、命を賭してまで危険な航海に出たのか?血で赤く染まった胡椒の争奪戦を、現地の商人や海賊、宣教師、旅行家らのエピソードで描いた、傑作歴史読みもの。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

タイトルそのままに胡椒をめぐる歴史について描かれた作品。不幸なことに熱帯でしか採集できない胡椒を中心としたスパイスを巡って欧米、もっとはっきりいうとポルトガル、オランダ、イギリス、アメリカがいかにひどいことをしてきたか、の歴史。帝国主義の横暴ではおなじみのスペインは南米での暴虐で忙しかったらしく胡椒の産地であるインド~インドネシア近辺での横暴な振る舞いは主にこの四カ国に絞られるらしい。サブタイトルに「暴虐」とあるがどぎつい描写はなく(原題が “PEPPER A History of World’s Most Influential Spiceなので作者に罪はない)貿易から徐々に植民地化に移行していく過程が様々なエピソードを交えて紹介されている。一般的な世界史だとバスコ・ダ・ガマやコロンブスなど大航海時代に海に乗り出していった側のことはよく見かけるが押しかけられたほうの歴史はあまり見かけないのでその意味でも貴重な作品かと思った。ローマ時代から胡椒の存在は欧州でも知られていた、というのが意外だった。しかしより美味しいものを食べたい、という欲求のみで胡椒やスパイスを熱望した先人の欲望には感心させられた。何も考えずに使っていた胡椒だが見方が変わったかも知れない。面白かった。

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