デニーロ・ゲーム

Ex libris

ラウィ・ハージ / 藤井光

2011年8月31日

白水社

2,640円(税込)

小説・エッセイ

内戦下のベイルートで、キリスト教民兵組織が支配する地区に暮らすアルメニア系の少年バッサーム。幼なじみのジョルジュは「デニーロ」というあだ名で呼ばれている。二人はジョルジュが働くカジノから金をくすね、ガソリンを盗んではバイクを乗り回す日々を送る。ジョルジュはカジノを運営する民兵組織に引き抜かれ、イスラエルで訓練を受けるかたわら、密造酒や麻薬の取引をバッサームに持ちかけ、次第に二人は疎遠になっていく。ある日、バッサームはある殺人事件の嫌疑をかけられ、民兵組織に連行され拷問を受けるが、ジョルジュの叔母の計らいによって解放される。彼はレバノン国外に逃れる決心を固め、その資金を手に入れるため、カジノの売上を強奪する。脱出の直前、キリスト教勢力の最高司令官が暗殺され、それに関与した容疑をかけられたバッサームを、ジョルジュが連行しにやってくる…。

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