はじめて考えるときのように

「わかる」ための哲学的道案内

PHP文庫

野矢茂樹 / 植田真

2004年8月4日

PHP研究所

814円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

「考えるってどうすること?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?▼本書では、「考える」とはどういうことなのか、どうすればもっと上手に考えられるようになるのかを、心なごむ絵とともにやさしく解き明かします。たとえば、なぞなぞを解くことが哲学のきっかけになっていたり、なにげなく見ている夜空の星から「問題」の本質が見えてきたりするーーそんな、身近な例をたくさんあげて、「考える」ということの本質に迫ります。また、身近な話題だけでなく、論理学によって、よく言われる「論理的に考える」ということは、実はできないということも証明します。▼見えているものをそのまま見ているだけでは考えることはできません。無知や無秩序からは問いは生じないからです。見えない枠組をはずし、いろんな知識をもち、いろんな理論を引き受けるからこそ、多くのことを鋭く問い、考えられるようになるのです。▼本当の「考える力」が身につく哲学絵本。 [1]「考える」って何をすることだろう [2]問いのかたち [3]論理的に考えるだって? [4]ことばがなければ考えられない [5]見えない枠 [6]自分の頭で考える?

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書店員レビュー(1)
書店員レビュー一覧

長江貴士

書店員

野矢茂樹「はじめて考えるときのように」

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0
2019年12月20日

みんなのレビュー (2)

Readeeユーザー

(無題)

starstarstarstarstar 5.0 2022年02月05日

たまたま紀伊国屋書店で見かけたので買ってしまった。 平易な文章と肩の力を抜いて読めるように、フォントや挿絵の絵柄や文字色までがデザインされたところが大きな特徴だろう。全編を通じて「考える」とは何かという、子どもに質問されるかもしれないけれど、深く考えようとすると難しく答えに困りそうな哲学的問題を読み手とともにやさしく丁寧に考えてゆく形式である。 私自身、考えるということ自体に強い疑問を感じたことはなく、深く考えたこともなかった。しかし、考えるとはどういう事なのか、思い返せばこれまで分かっていなかったと思う場面があった。とにかく考える対象"だけ"を頭の中に閉じこめて、答えが出るまで片時もそれを思い浮かべるという滅茶苦茶な方法を取っていた。これは脳に過大な負荷、ストレスを与えるだけでなく、柔軟な発想ができなかったり、周りが見えていないために答えを誤ることもあった。つまり、「考える」ということがどんなことなのか、重大な誤解をしていたために、臨機応変に最も適切な思考を進めることができなかったのである。 この本によって私の脳は救われたことだろう。脳を閉じ込めていた堅牢な牢獄にあるような鉄格子の枠組が、新しい可能性を広げる言葉によって破壊されたからである。今後私がしなければならないことは、高度でユニークな思考のために思考能力を高めることである。それは、積極的に脳の外部で思考することであり、断片的なアイデアを可視化したり、外の世界でより多くのヒントを探したり、どんな思考手段が適切か検討したり、他者との対話を楽しんだり……そして、このように開かれた思考を積み重ねてゆくことである。 世界は広い。そこで出会えるだろうたくさんの言葉、そして新しい可能性を信じて、多くの思考の冒険をしようと思う。

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