
正義のミカタ
I’m a loser
本多孝好
2007年5月31日
双葉社
1,650円(税込)
小説・エッセイ
いじめ、リストラ、格差。こんな社会で生きていかなきゃならない、本当は将来が少し不安なあなたに贈る、書き下ろし青春小説。
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もこりゅう
本当の正義って何だろう。これって、難解な問題だ。
本当の正義って何だろう。これって、難解な問題だ。なぜって、人それぞれに正義があるのだから。それでも歴史ってのは、また世の中は、勝ち抜いたものが正義である、と声高に叫んでいる。「正義は勝つ」ではなく、「勝てば官軍」な世の中って、ほんとにそれでいいのかなぁ。そんなことを考えさせられる、青春小説の良作。 飛鳥大学、通称「スカ大」に入学した蓮見亮太は、高校のときにいじめにあっていた。大学ではいじめられないように気をつけようとしていたところへ、かつてのいじめの主犯格である畠田に出会う。畠田も同じ大学であることを知り、殴られながら大学を辞めようと考えているところへ登場する正義のミカタ。助けてくれたトモイチから、「正義の味方研究部」に誘われる。そしてはじまる、「正義のミカタ」の視点での新しい生活。 前半は文句のない、再生の、青春の物語。なんというか「砂漠」のときと同じように、学生ってうらやましいなぁ。。と思った。後半は、正義ってのはなんなんだろう、正しいってのはなんなんだろう、と思った。「KY」なんて言葉が流行ったが、空気を読むことが一番大事なのだろうか。空気を読むことしかできない人々が、ヒトラーを生み、今の世の中を生んだのではないか。「勝ち組」になることばっかり考えたり、空気を読むことばっかり考えたり。それが本当に「正しくて」「正義」なの? それで本当に大事なものを見失っていない? 念のためいっとくが、おいらがよく「KY」っていわれるから、悔しいからってこんなこと書いてるわけじゃないぜっ!あくまでも念のため。 結局、「本当の正義」なんて、誰にもわからないんだろうなぁ。ある人の中での正義が、他の人から見たら悪になるだろうし、その逆もまた然りであるわけだ。おいらたちは自分の中の正義を信じて、その信念を貫き通すことしかできないのだろう。ただその正義を、主観だけではなく客観的に捉えないといけない。想像し、考えよう。その行為が本当に「正義」であるかってことを。 この「正義のミカタ」ってのは、きっと「正義の味方」ってわけではなく、「正義の見方」なのだろうなぁ、と思った冬の夜。
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