
鎮火報
Fire’s Out
双葉文庫
日明恩
2010年11月30日
双葉社
900円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
不法滞在の外国人が暮らす木造アパートで放火!現場に出動した新米消防士・大山雄大は“水をかけると広がる炎”に疑念を持ち、独自の調査を開始する。だが、やがて第二、第三の凶行が…。熱いハートを憎まれ口で隠し、火事も事件も正面突破。雄大のまっすぐな言葉と行動がでっかい感動を呼ぶ、青春消防ミステリー。
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(無題)
イヤー、小説ってホントーにイイですね‼︎。こんな使い古されたフレーズを思わず口にしてしまうほどに小説の醍醐味を味わえる本書です。警察小説というジャンルは既にあり、何人かの作家が存在しますが、消防小説って類書があるんですかね。今まで消防には全く興味がありませんでしたし、知識も持ち合わせていませんでした。消防車が火災現場に出動したあと、帰りに鳴らすカーン、カーンってやつ、あれを鎮火報といい、消防官の深い思いが込められているなんて、今の今まで知りませんでした。本書はのっけから消防の出動シーンが描かれます。これが大迫力なんですね。消火活動の現場が手に汗握る活劇シーンの連続だなんて、予想もしませんでしたよ。 この小説のもうひとつの面白さが、登場人物の人物造形にあります。主人公は20歳の新米消防士・大山雄大、彼は「なれるものならなってみろ」といわれ、売り言葉に買い言葉で意地を張った結果、消防士になった元ヤンキーです。現場から早く事務へ移り、楽して得する公務員を目標としています。危険も顧みずに消火の現場に赴く消防士を描いていながら、それと対極にある信条を持つ主人公のミスマッチがコミカルな雰囲気を生んでいます。 さて、物語はこの火災の原因が放火であること、しかも連続放火で不法滞在外国人が住まう老朽木造アパートからの出火であること、もうひとつは雄大が身をもって体験したことですが、消火のために水をかけると、大きく火が広がること、この二つの謎を秘めたまま、ミステリータッチの展開をみせます。果たして、放火犯はどこにいるのでしょうか。連続放火となれば、考えられるのは愉快犯です。しかし、この犯人は何故、不法滞在の外国人が住むアパートを狙うのでしょうか。単なる愉快犯と言い切れない犯人像が浮かび上がります。
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