
逃げ水の坂
双葉文庫 口入屋用心棒 1
鈴木英治
2005年7月31日
双葉社
722円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
わけも告げず姿を消した妻を探し求めて、駿州沼里から江戸にやってきた湯瀬直之進は、小日向東古川町で店を構える口入屋・米田屋に住み込みの用心棒として雇われる。仔細あって木刀しか使わない直之進だが、さっそく、うだるような暑さのなか、主の光右衛門について江戸の商家を回ることになる。書き下ろし長編時代小説、待望の新シリーズ第一弾。
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(無題)
口入屋用心棒シリーズの第一巻です。口入れ屋とは米田屋光右衛門の事で、どう言う訳か命を狙われています。このために用心棒として雇われたのが湯瀬直之進です。直之進は 「申しわけございません」との一筆を残して姿を消した妻の姿を探して江戸にやって来ました。駿州沼里藩の元藩士である湯瀬直之進は、今は浪人の身ですが、何やら密命を帯びているようにも見えます。理由は分かりませんが、直之進は本身の代わりに木刀を差しています。これでは刺客との闘いに不利ですが、直之進は一向にあらためる気配がありません。 江戸の町にかどわかしが出没していました。しかも狙われたのは5歳の子供ばかりです。また、米田屋光右衛門の用心棒となった直之進は、当然の如く光右衛門の得意先回りにも付き添います。この辺が実は物語の展開に重要な伏線となっているのですが、今ここで種明かしする事は止しましょう。それよりは、主要な登場人物の紹介を先にすることにしましょう。先ずは直之進の相棒とも言うべき平川琢ノ介、米田屋に出入りする浪人ですが、老け顔で腹が出ています。もう1人は直之進と事件解決にあたる町廻り同心の樺山富士太郎です。富士太郎は正式に同心になって半年の新人で、頼りなさそうです。しかも話しぶりが、オネエっぽいのですから、何とも睨みがききません。ああ、それと米田屋の双子の姉妹おきくとおれんも彩りを添えます。
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