江戸は負けず
小料理のどか屋人情帖12
二見時代小説文庫
倉阪鬼一郎
2014年12月31日
二見書房
712円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
武士を捨て江戸に出て料理人となった時吉は、女房おちよと岩本町で小料理のどか屋を営んでいる。昼飯の客で賑わう見世に、半鐘の音が飛び込んできた。火は近い。早く逃げないと大変なことになる。背に小さな倅を背負い、女房と風下に向かって逃げ出した。…と、火の粉が舞う道の端から赤子の泣き声が聞こえる。捨て子か、双子の赤子だ。放ってはおけない。
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