ほまれの指

小料理のどか屋人情帖17

二見時代小説文庫

倉阪鬼一郎

2016年6月24日

二見書房

712円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

侍を捨て料理人となった時吉とおちよの、旅籠付き小料理屋のどか屋を手伝うおしんは、出奔中の父を両国橋で見かけた。声をかけたが逃げ去られた。父は浮世絵版木彫りの職人だったが、故あって家を捨てていた。おしんの弟は大工修業中に大火にあい、亡くなっていた。江戸に戻った父が目にしたのは、十七歳で死んだ息子が遺した、焼け焦げた鉋だった。鉋を懐にした父は…。

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