太平洋戦争と上海のユダヤ難民
丸山直起
2005年2月28日
法政大学出版局
6,380円(税込)
人文・思想・社会
19世紀半ばのアヘン戦争を契機に成立した上海の租界には、いくつものユダヤ人コミュニティが形成された。のちに上海にはロシア革命やナチス・ドイツによる迫害を逃れて多くのユダヤ難民が流入し、国際政治の渦に巻き込まれてゆく。中国大陸を蹂躙した日本も、欧米との外交関係をにらみつつ、ユダヤ人への対応を検討していった。ヨーロッパ各地から上海に渡り、戦後は故国イスラエルの再興を担ったユダヤ人の苦悩に満ちた歴史とは、どのようなものであったのか。本書は、内外に散在する膨大な一次資料とインタヴューをもとに、これまで軽視されてきた近代東アジアにおけるユダヤ人の歴史を、ひろく国際関係史のなかに位置づけて詳細に描きだす。
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