政治学の批判的構想

ジェンダーからの接近

衛藤 幹子

2017年6月26日

法政大学出版局

4,950円(税込)

人文・思想・社会

女性はなぜ生きづらいのか。常識を疑う叛骨の精神が組み込まれたジェンダー概念を用い、政治学に埋め込まれた男性の優位性、女性に対する抑圧と排除、男性と女性の不公平な関係に焦点を当て、市民社会やリベラル・デモクラシーに内在する不平等を解き明かす。政治学の土俵でフェミニスト・アプローチの可能性を探る。 序章 第一章 フェミニズムとジェンダー  1 第一波フェミニズム──女性の権利獲得運動  2 第二波フェミニズム──女性解放運動  3 多様化の時代のフェミニズム──「再分配」から「承認」へ  4 分析概念としてのジェンダー  結語 第二章 「性」の支配──女性はなぜ敗北したのか  1 支配システムとしての「家父長制」  2 家父長制と資本主義  3 家父長制の起源  4 家父長制の定着  結語 第三章 「労働」の支配──ジェンダー役割分業観念はいかに構想されたのか  1 西洋社会の女性と労働  2 ブルジョワ階級女性をめぐる労働と生活の変化  3 資本主義はなぜ「ジェンダー役割分業」を必要としたのか  4 ジェンダー役割分業の行方  結語 第四章 リベラリズムにおける排除と包摂──平等のディレンマ  1 フェミニストのシティズンシップをめぐる議論  2 古典的リベラリズムの排除の論理  3 ソーシャル・リベラリズムの二面性  4 普遍的平等の不平等  結語 第五章 リベラリズムにおける平等と差異──「積極的平等」をめぐる批判と反論  1 積極的平等政策  2 機会の平等、能力主義への挑戦  3 不名誉な烙印  4 派閥の台頭  5 本質主義への回帰  結語 第六章 ジェンダー不在の市民社会──フェミニストの批判  1 市民社会概念  2 市民社会と女性  3 フェミニストの市民社会(論)批判  結語 第七章 市民社会の再構想──「重なり合う、切れ目のない世界」の提案  1 アイリス・ヤングの市民社会モデル  2 ヤングの三層モデルの効果  3 ヤングの三層モデルの課題  4 重なり合う、切れ目のない世界  結語 第八章 リベラル・デモクラシーの不平等──議会における過少代表  1 リベラル・デモクラシーの不平等  2 政治社会の先住集団と後続集団  3 女性議員の多寡を左右する要件  結語 第九章 リベラル・デモクラシー再訪──議会代表と議会外代表  1 記述代表と実質代表  2 議会を越える女性の政治代表  3 議会外代表の強調が引き起こす問題  4 議会代表の潜在力  結語 終章 参照文献 あとがき 索引

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