百年文庫 82

斎藤 緑雨 / 田村 俊子 / 尾崎 紅葉

2015年1月2日

ポプラ社

825円(税込)

小説・エッセイ / 人文・思想・社会 / 文庫

柳橋芸者に入れあげて、一人合点な恋に一喜一憂する書生・貞之進。若い男の自意識と、花柳界の恋のからくりを、明治文壇きっての批評家が描く斎藤緑雨『油地獄』。香気を含んだ春の雨が、幾重の情念をそっと揺り起こす。放埒で繊細な愛と性(田村俊子『春の晩』)。白い指先、かぐわしい香り、都会育ちの娘は噂にたがわぬ美しさだった。いずれ叶わぬ山男の恋心を、春の情趣豊かに綴る尾崎紅葉『恋山賎』。甘く切なく、ほろ苦い。恋に焦がれる物語三篇。

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