夫のちんぽが入らない

こだま

2017年1月18日

扶桑社

1,430円(税込)

小説・エッセイ

2014年5月に開催された「文学フリマ」では、同人誌『なし水』を求める人々が異例の大行列を成し、同書は即完売。その中に収録され、大反響を呼んだのが主婦こだまの自伝『夫のちんぽが入らない』だ。 同じ大学に通う自由奔放な青年と交際を始めた18歳の「私」(こだま)。初めて体を重ねようとしたある夜、事件は起きた。彼の性器が全く入らなかったのだ。その後も二人は「入らない」一方で精神的な結びつきを強くしていき、結婚。しかし「いつか入る」という願いは叶わぬまま、「私」はさらなる悲劇の渦に飲み込まれていく……。 交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った“愛と堕落"の半生。“衝撃の実話"が大幅加筆修正のうえ、完全版としてついに書籍化! いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて二十余年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。 何も知らない母は「結婚して何年も経つのに子供ができないのはおかしい。一度病院で診てもらいなさい。そういう夫婦は珍しくないし、恥ずかしいことじゃないんだから」と言う。けれど、私は「ちんぽが入らないのです」と嘆く夫婦をいまだかつて見たことがない。医師は私に言うのだろうか。「ちんぽが入らない? 奥さん、よくあることですよ」と。そんなことを相談するくらいなら、押し黙ったまま老いていきたい。子供もいらない。ちんぽが入らない私たちは、兄妹のように、あるいは植物のように、ひっそりと生きていくことを選んだ。(本文より抜粋) こだま

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書店員レビュー(1)
書店員レビュー一覧

ひさだかおり

書店員@精文館書店中島新町店

(無題)

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0
2020年01月16日

みんなのレビュー (2)

Readeeユーザー

2019年1月

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3.6 2019年01月21日

友達が面白いよ、と言って貸してくれたがタイトルからして「???」最初は放置していた。いよいよ返さなくてはと思い読み始めたところ、気持ちの描写がとても的確でテンポよくあっという間に読み終わってしまった。

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Readeeユーザー

(無題)

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4.1 2018年07月24日

ここはおしまいの地、を先に買ったけどこちらの方が断然早く読み終わった。 何と悲惨な人生なんだろうか、自分なら嫌で嫌で仕方なくなって何度も自暴自棄になるだろうに、こだまさんは多々ある困難に立ち向かいながらも傷ついていく。 それでも"死"という最終段階に踏み込まなかったことや、夫との関係性がやはり常人とは違うのかな、けどこういう夫婦の形も断然いいんだな、と思わせる人生で。 面白おかしいところも、悲しく辛いところも踏まえて、その人の人生であって生きる事は輝きはしないけど、誰かから必要とされることで、一層深くなるのかな、と。

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