美しき夢破れ

冒頭から、別居した夫ザックとの間に子供が出来た事を知るヴィクトリア。ヴィクトリアは知り合いのウィリアムに、チュニジアの別荘を借りる。そのあとすぐにザックがヴィクトリアを見つけ出しそのショックで倒れるヴィクトリア。金持ちの家に育った割にヴィクトリアは結婚するまで孤児院で働いていた。結婚したのは20才。質素を好む性格で派手なタイプではない。初夜の朝、うっとりと夢見がちにしていたヴィクトリアに彼女の母が言う。「ザックにはジーナという愛人がいて、今朝早くから睡眠薬を飲んで今ザックと一緒よ。まあザックとジーナが昔から愛人関係っていうのは知ってるわよね？」母の言葉に衝撃を受けたヴィクトリアは夫ザックにそれが真実がどうか詰め寄る。ザックはアッサリと認めたが、ヴィクトリアはよもやザックを信じられなくなった。すぐにホテルを抜け出して幼馴染ウィリアムに匿ってもらう。そして冒頭の状態で再会したヴィクトリアとザック。ザックは「子供みたいに駄々をこねるな、君は僕の妻だ！」といいヴィクトリアは「離婚して。あなたはもう信用できない」と告げる。しばらくして再びイギリスでザックに再会する。そこでザックに妊娠を告げるが、ウィリアムの子供だと誤解される。訂正するのも腹が立ったヴィクトリアは誤解をそのままにしてザックから離れる。またまたザックがヴィクトリアのマンションで待ち伏せしていて「なぜ僕からの金を受け取らない？！」と詰問。ヴィクトリアはちょうど花屋さんで短期バイトを始めた所だった。そのあとお腹の子供がザックの子供がだとわかってからまた口論になり、一度ヴィクトリアの家を出るザック。だが数時間あとに「トーリィ？またきたよ」と花束を持ってやってくる。この情緒不安定さは凄いわザック。クスリやってんの？しかし絶対諦めない男ザック。嫌われようと避けられようと頑なにヴィクトリアから離れない。妊娠中のヴィクトリアと愛の言葉を交わしてセックスしたあとにヴィクトリアから「私は誰の事も信じられないの。ごめんなさい」と言われて絶望するも、自分の家計に離婚した夫婦はいないと嘘をつき「誓いを破ったのは僕じゃない」と皮肉を言って意地でもヴィクトリアから離れないザック。実はヴィクトリアが住んでいたマンションもザックが人知れず用意した物で、最初からザックはヴィクトリアの事を心底心配してそして愛していた。最初から「愛してる」って言葉を連呼するハーレクインヒーローは珍しい。最後は、ヴィクトリアの出産と自分の亡き母の出産が重なり、無事に過去のトラウマを克服するザック。ハッピーエンド。