
黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続
宮部みゆき
2019年12月7日
毎日新聞出版
1,980円(税込)
小説・エッセイ
大人気<三島屋変調百物語>シリーズ最新刊 江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く、一風変わった百物語。 これまで聞き手を務めてきた三島屋主人・伊兵衛の姪のおちかが、めでたく嫁にいき、次なる聞き手は伊兵衛の次男・富次郎に。 気さくで気がよく旨いもの好き、跡取りではないから「小旦那」と自称する富次郎。 おちかが聞き手だったころ、ふとした縁の導きがあって三島屋に入り、百物語の守り役となったお勝。富次郎が幼いころから三島屋に奉公してきた古参の女中、おしま。 この三人で語り手を迎え、新たな変わり百物語の幕が開く。 再会した友が語り始める一家離散の恐ろしい運命(第一話「泣きぼくろ」) 村の女たちが<絶景の丘>に登ってはならぬ理由(第二話「姑の墓」) 妻子を失った走り飛脚が道中めぐりあう怪異(第三話「同行二人」) 異形の屋敷に迷い込んだ者たちを待つ運命(第四話「黒武御神火御殿」) 「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」 怖ろしさに凍りつく。愛おしさに心ふるえる。極めつきの怪異と不思議ーー 宮部みゆきのライフワーク、新章突入!
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宮部みゆきはやはり時代物が面白い。本作も期待にそぐわず読者を裏切ることはない。しかし、少しばかり気になるところがあった。いや、決して本作の瑕疵を指摘しているのではなく、私のウッカリの結果である。前書きを読むと、おちかが嫁入りしたというのだ。前作を読んでから時間が経っているので、記憶が薄れているのは確かだが、主人公のおちかが結婚したのを忘れるわけがない。どうやら五巻を飛ばして六巻を読み始めてしまったようだ。 おちかが嫁いだので、三島屋黒白の間で繰り広げられる『変わり百物語』の聞き手が失われた。「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」とは言っても、ただ黙って聞いていれば良いというものでもない。おちかの語り手への気配りたるや、並大抵ではなかった。おちかの後釜は、伊兵衛の次男・富次郎に。跡取りではないから若旦那ではない。「小旦那」と呼ばれる富次郎は、気さくで気がよく旨いもの好き。そんな人柄を聞き手に配して物語はこれからどんな展開を見せるのか、楽しみである。 御神火とは伊豆大島は三原山の噴火である。火口に身を投じて黒焦げになった武士の住む御殿での摩訶不思議な物語である。その物語を語るのは、札差の放蕩息子・甚三郎である。先の御殿に迷い込んでしまった甚三郎は、神隠しにあったらしき五人と出会う。素性も事情も異なる六人がおぞましい屋敷から脱出するために手をたずさえて怪異の数々と死闘をくりひろげるのだった。
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おぞましくも温かな物語。三島屋百物語に新たな主人公が登場!
前作までの主人公である「おちか」がお嫁に行き、三島屋百物語の聞き手に、三島屋の次男坊「富次郎」が就任する。 おちかのように生真面目というのではなく、ユーモアがあり、飄々とした風に好感がもてる新主人公である。 「泣きぼくろ」「姑の墓」「同行二人」「黒武御神火御殿」の4作品が収録されている。いずれも、理不尽でおぞましい話ばかり。しかし、その中にも人の温かさが語られ救いがある。それを読む私たち読者も、日々の悩みや苦しみから救われる。それが、宮部作品の素晴らしいところだと思う。 特に「黒武御神火御殿」はスケールが大きい。ひょんなことから異世界の御殿に迷い込んでしまった身分も立場も違う6人の人々が、極限状態でそれぞれの選択をし、生死を分けてしまう。 映画かアニメで見たいと思ったが考え直した。この本を読んだ方が、読者の人数だけ豊かにイメージできるだろう。映像でイメージを固定化されるよりずっといい。 さて、次作の「魂手形」はもう買ってあるのだ。楽しみだ。
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