密謀（上）

織田信長が謀殺された後を襲つた豊臣秀吉は和戦両様の作戦で群雄を臣従させ、天下統一をなしとげた。東国の上杉景勝もこの時勢には抗しがたく和議を結ぶ。景勝の腹心直江兼続は草の者を諸方に放って、天下の動静を油断なく探るとともに、秀吉の股肱石田三成と密かに意を通じ合った。やがて“太閤薨去”、再び動乱の世に…。