貧乏人の経済学

もういちど貧困問題を根っこから考える

アビジット・V・バナジー / エスター・デュフロ / 山形 浩生

2012年4月30日

みすず書房

3,300円(税込)

ビジネス・経済・就職

貧困研究は、ここまで進んだ。単純な図式(市場vs政府)を越えて、現場での精緻な実証実験が明かす解決策。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

今でこそパンデミックが課題の中心という世界ではあるけれどもちょっと前は格差の問題がこの世界における最重要課題の一つだったわけで~それも解決しないままより大きな課題に覆い隠されている印象があるのだけれども~今流行の行動経済学なども取り入れながら世界中の極貧と言われる人たちはなぜそうなのか、問題の根本は何で、どうすれば解決につながるのか、について書かれた作品。援助をすべきなのかそれとも自助努力を起こさせるべきなのか、マイクロファイナンスの取り組みは何が良くて何が問題なのか、そもそも貧困層と言われる人たちはなぜそうなってなぜそこから抜け出せないのか、を実際の交流を通じて解明していく試みの本作。貧困層自身の行動における問題点も容赦なく描き出した上でどうしていくべきか、を具体的に示している点が素晴らしい。理系脳が貧弱なのでグラフが出てきたときはどうしようかと思ったけれど極めて分かりやすい文章とロジックに感服。変な感想なのかもしれないけれどマルクス主義があのような顛末を迎えたことを経た格差の解消論とはこういうことになるのかなと思った。これは刺激的な作品だった。

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