ショパンの詩学

ピアノ曲《バラード》という詩の誕生

松尾梨沙

2019年2月9日

みすず書房

5,060円(税込)

人文・思想・社会 / エンタメ・ゲーム

ショパンはその生涯に多くの歌曲を書いた。古典主義からロマン主義への過渡期にあった同時代6人の詩人の詩にショパンが付曲したものが主であるが、生前には刊行されず、ショパン作品群の中での位置づけは低い。これまで軽視されていたショパンの歌曲について、本書はまず詩の精緻な分析を行った上で、ショパンの付曲がいかに見事に各詩に対応しているかを明らかにする。ショパンは感傷的なサロン音楽の作者と目されがちで、そのような意味で「ピアノの詩人」と呼ばれてきた。しかし本当は、まったく別の意味でそう呼ばれるべきだったのではないか。作曲家の真髄を研究史の死角から救い出した、若手研究者の快挙。

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