現代社会の仏教

シリーズ実践仏教 5

船山 徹 / 蓑輪 顕量 / 熊谷 誠慈 / 室寺 義仁

2020年5月25日

臨川書店

3,080円(税込)

人文・思想・社会

シリーズ四回配本第5巻は、現代社会に息づく仏教を三章にわけて論ずる。仏教が果たしうる今日的役割とは。 【目 次】 はしがき (船山 徹) 第一章 瞑想のダイナミズムーー初期仏教から現代へーー (蓑輪顕量) はじめに 第一節 インド世界における心の観察 輪廻との関連 / 釈尊の悟り / 念処ーー釈尊の心の観察法 / 念処の目的 / 五蘊の発見 / 止観の内実 / 論典が伝える展開 第二節 東アジア世界における止観の受容と展開 入息出息観と不浄観 / 南北朝時代における心の観察 / 天台の止観 / 禅宗の展開 / 唐・宋代の公案と行 / 話頭禅 第三節 日本における止観の受容と発展 古代の受容 / 院政期における心の観察 / 中世の受容と展開 / 良遍の理解 / 近世初頭の展開 / 良寛、日臨および妙好人 / 近代の展開 / 戦後・現代の展開 おわりに 第二章 ブータンの実践仏教と国民総幸福(GNH) (熊谷誠慈) はじめに ブータンと幸福 第一節 ブータンの概要 ヒマラヤの王国ブータン / ブータンへの仏教伝来 / ブータンに伝わったチベット仏教諸宗派とニンマ派、ドゥク派 / ドゥク派の分裂とブータンの建国 / ドゥク派政権による国家運営 / 大英帝国との関係 / ドゥク派政権の終焉とブータン王国の成立 / ブータンの近代化(三代〜五代国王) / ブータン社会における仏教の影響 第二節 ブータンの仏教とその思想 ブータン国民にとっての仏教 / 聖俗両立の起源(ドゥク派開祖ツァンパ・ギャレーの多様性とGNH) / 輪廻思想に基づく生活  マハームドラー(大印契) / ナーローパの六法 / 『死者の書』の位置づけ / 土着神の扱い 第三節 ブータン社会における仏教の応用実践 ブータン王国憲法における仏教実践の位置づけ / GNH政策 / GNHの構成 / ゲリラとの戦争 / ネパール難民問題 / 近代化・国際化における伝統との軋轢と融合 / 若者の抱える問題 第四節 ブータンの幸福観の応用可能性 ブータン仏教の位置づけ(日本仏教との共通点と相違点) / 日本仏教の可能性 / GNH政策の日本への応用可能性  結 語 第三章 現代医療と向き合う (室寺義仁) はじめに 現代日本における仏教の一つの姿 第一節 現代医療の進展 ㈠個人情報とインフォームド・コンセント / ㈡医療情報 / ㈢臨床研究 / ㈣高齢社会における医療 第二節 教育研究機関における取り組み ㈠ビハーラ僧 / ㈡臨床宗教師 / ㈢光華女子大学と滋賀医科大学の例 第三節 生命倫理の四原則 第四節 「黄金律」(Golden Rule)と「不放逸」の教え 第五節 ブッダの教えから学ぶ ㈠心の有り様についてーー『ダンマパダ』の教えから / ㈡『ダンマパダ』第二八二偈の教えーー「我に入り込め」 結びに代えて 参考文献 / 図版一覧 / 索 引

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