意識はいつ生まれるのか
脳の謎に挑む統合情報理論
ジュリオ・トノーニ / マルチェッロ・マッスィミーニ / 花本 知子
2015年5月27日
亜紀書房
2,420円(税込)
美容・暮らし・健康・料理 / 医学・薬学・看護学・歯科学
脳は意識を生み出すが、コンピュータは意識を生み出さない。では両者の違いはどこにあるのか。天才脳科学者が意識の秘密に迫るサイエンス・エンターテインメント。
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starstar 2.9 2019年11月20日
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「意識はいつ生まれるのか」という生物、無生物の大きな問いに挑む。
AIやバイオテクノロジーなど急速に進歩するテクノロジーに人類は追い抜かされ、『ホモ・デウス』にあるように世界の支配者の地位をアルゴリズムに譲りつつある。
そうした中、人間とは何か? という問題が今1番のテーマであり、人間とその他の生物、意識のある存在と意識のない存在の違いを明らかにする挑戦が行われている。そのとき最も重要となる意識とは何か? という問いに我々は答えることができない。
意識を発生させるために必要なものは1.情報量の多さ、2.統合力である。フォトダイオードは部屋の明るさを判別できるが、そこには「明るい」,「暗い」の2択しか選択肢が存在しない。しかし、人間の判別方法で「暗い」と判断する時は「明るくない」,「茶色ではない」,「タヌキではない」など多数の「〜ではない」を排除した結果である。これが情報量の多さであり、複雑さである。 また、フォトダイオードやデジタルカメラのように得た情報が一方通行に伝達されるのではなく、人間ではひとつの情報が様々な箇所のニューロンを刺激し、情報をまとめる それが統合力である。 意識はそうした2点が高い状態にあるため生まれる。そのためテクノロジーがいくら発達しても意識は生まれないのである。
しかし、本書は他人の意識を見ることはできない。としている。脳と意識はひとりひとりのもので、他人の意識は分かち合えない。
人が人生経験を積むにつれて、脳は、周囲の環境から影響を受けながら形成される。外界のひとつにまとまった意味は、個々人の統合された視床-皮質系においてのみ、存在するのだろうか。実際のところ、視床-皮質系は、外界に存在する関係が、脳内で分かち難いひとうの関係に変わる唯一の場所である。結局のところ、我々の世界は特異な脳が見せてくれるものに過ぎない。
そのため人間の経験は一人一人異なり、素晴らしい!と読めてしまった。しかし、そうした人間至上主義は『ホモ・デウス』でもアルゴリズムが支配する次世代に合わない考え方のように思える。
結局のところアルゴリズムが支配する世界で唯一戦える生物と無生物の差という武器を手にすることは出来なかったように思える。
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