うぶすな参り

鎌倉河岸捕物控23の巻

ハルキ文庫

佐伯泰英

2013年11月30日

角川春樹事務所

754円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

享和二年(一八〇二年)の残暑の朝、十一代目の元気な泣き声が、鎌倉河岸に響きわたっていた。金座裏は、「神田明神」へのうぶすな参り(お宮参り)の話題でもち切りだ。そんな折、赤ん坊に蛍をと龍閑川に蛍狩りに出掛けた亮吉たちが、浴衣を着た若い娘の死体を見つけてしまう。手には蛍が入った紙袋を掴んでいたー。政次たちは早速、探索をはじめるが…。金座裏の面々は、人々の平和を守るため、強い結束で今日も江戸を奔る!大ベストセラーシリーズ二十三弾、ますます絶好調。

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3.1 2018年01月27日

うぶすなまいりとは、お宮参りのことだそうです。金座裏の政次の物語も随分と久しぶりです。しおが金座裏11代目を産みました。男の子は産まれて31日目、江戸っ子の総鎮守神田明神を産土神としてお参りするしきたりです。こんな風におめでたい雰囲気で始まった物語も、そこは鎌倉河岸捕物控です。事件が起こります。備前屋の一人娘おけいが殺されたのです。蛍狩りに来た亮吉が偶然死体を見つけたました。縄張り内での人殺しに金座裏が黙っているわけには行きません。しかもおけいは、子種を宿していたのです。政次と八百亀はスケコマシの源次郎を捜しあてます。こうして政次の活躍でおけいの通夜迄に下手人をお縄にすることができました。 ある意味、力仕事であれば若さに勝る政次の独断場と言えますが、江戸市中で起こる事件は単純な暴力事件とばかりは限りません。解決には腹芸と言うか、政治力を発揮しなければならない状況も出てまいります。そんな場面では、政次ではまだまだ役不足です。そこに大親分の出番があります。今度の事件は大身旗本絡みで、内々相談がもたらされたのです。江戸の警察機構は、身分制度毎に縦割になっていました。南北の町奉行所の管轄は町人が対象です。武士階級を対象にしたものとして、目付、大目付がありました。ですから、町奉行所配下の金座裏が旗本絡みの事件に介入することはあり得ないのですが、そこは金座裏です。並の親分では手も足も出せない旗本の経済犯でも、大親分は目付、大目付を動かしてしまうのです。 最後は偽金騒動です。これも本来は勘定奉行の管轄ですが、金座裏は老中直々の下命を受けて探索に当たります。大掛かりな偽金団が大量の偽小判を作り、流通させれば江戸経済そのものが大混乱に陥ります。そこで幕閣としては隠密裏にしかも迅速な捜査を望み、金座裏に白羽の矢が立ったのです。事件は幸い個人的な怨みを原因とする他愛ないものでしたが、事件の過程で金座棟梁・後藤庄三郎の責任が問われる可能性が出てきました。この時とった政次と宗五郎親子のあうんの呼吸での出し物は、決まりすぎる程の気持ち良さです。

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