ドイツ・縮小時代の都市デザイン

服部 圭郎

2016年4月8日

学芸出版社

2,860円(税込)

人文・思想・社会 / 科学・技術

産業の衰退と失業率の増加、人口の流出が著しいドイツの地方都市は、空き家の増加や都市環境の悪化に、縮小を前提とした都市政策で対応してきた。建物の保全改修と減築・撤去、アイデンティティの再構築など学ぶべき指針を探る。 はじめに 第1部 縮小都市とは 第1章 日本の都市・地域の縮小の実態と特徴 1・1 人口減少の実態 1・2 マクロ的な視点から見た人口減少の特徴 第2章 ドイツの都市・地域の縮小の実態と特徴 2・1 旧東ドイツにおける人口減少の実態 2・2 旧東ドイツの人口減少の要因 2・3 旧東ドイツの縮小が及ぼした問題 第3章 旧東ドイツの縮小政策プログラム 3・1 シュタットウンバウ・オスト・プログラム 3・2 その他のプログラム 第2部 縮小都市の横顔 第4章 アイゼンヒュッテンシュタット 4・1 概要 ─ ドイツ最初の社会主義の都 4・2 縮小政策 ─ 中心を維持するため周辺から撤退 4・3 成果 ─ 減築で都心部を維持 4・4 都市のサバイバル戦略としての縮小政策 第5章 デッサウ 5・1 概要 ─ バウハウスのある工業都市 5・2 縮小政策 ─ バウハウスのある工業都市 5・3 成果 ─ 市民を巻き込む 第6章 コットブス 6・1 概要 ─ 雇用が激減した工業都市 6・2 縮小政策 ─ 都市構造のコンパクト化 6・3 成果 ─ 都心の魅力向上と空き家率の低減 第7章 ライネフェルデ 7・1 概要 ─ 世界に知られる縮小都市の優等生 7・2 縮小政策 ─ 問題から目をそらさない 7・3 成果 ─ 現実主義になること 第8章 シュヴェリーン 8・1 概要 ─ もっとも人口が少ない州都 8・2 縮小政策 ─ 再生のための空間づくり 8・3 庭園博覧会の活用 8・4 成果 ─ 進展するコンパクト化・ 第9章 ホイヤスヴェルダ 9・1 概要 ─ 縮小が激しい社会主義の計画都市 9・2 縮小政策 ─ 周縁部を撤去し「核」を残す 9・3 成果 ─ 徹底した減築が再生の道を照らす 第10章 ライプツィヒ 10・1 概要 ─ 過大な期待とその後の失望 10・2 縮小政策 ─ 縮小という事実を認める 10・3 成果 ─ 内科的アプローチで都市を治癒 第11章 ルール地方 11・1 概要 ─ 衰退するかつてのドイツ経済の牽引車 11・2 縮小政策 ─ 新しいイメージの創出 11・3 成果 ─ 新しいアイデンティティの創造 第3部 縮小都市の課題と展望 第12章 縮小都市が社会環境に及ぼす影響 12・1 都市構造の再編 12・2 都市機能の再編 12・3 機会の喪失 12・4 アイデンティティの希薄化 第13章 縮小都市が人に与える影響 13・1 合意形成のむずかしさ 13・2 「縮小=マイナス」という先入観 13・3 縮小への不安 13・4 コミュニティの脆弱化 第14章 ドイツから学ぶ縮小の都市デザイン 14・1 都市のコンパクト性の維持 14・2 ハードではなくソフトの社会基盤を充実させる 14・3 地域アイデンティティ・地域文化の強化 14・4 地元に考えさせる ─ 地方分権の勧め 14・5 行政の役割の強化 ─ 市場への介入 14・6 縮小を機会として捉える 14・7 ステークホルダーとの協働を図る 14・8 移民の受け入れ 豊かさの意味を再考し、縮小をデザインする おわりに

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