信用貨幣の生成と展開

近世〜現代の歴史実証

鎮目雅人

2020年8月22日

慶應義塾大学出版会

7,150円(税込)

「信用」を手がかりに 近代通貨の起源を探る 前近代の社会では、経済取引を円滑に進めるために、人々はどんな仕組みを編み出したのか。近代への移行によって、それはどう変化したか。 ヨーロッパで発展した「専業銀行」中心史観のレンズを外し、アジアの視点から独自の発展を遂げた「信用貨幣」の本質に迫る。 ▼「歴史実証」の手法に基づき、貨幣と信用の関係を、藩札の流通や当事者の関与の仕方から捉えた画期的な作品。 ▼「ヨーロッパのレンズ」を外し、インド・中国を含む、アジアの視点を加えることで見えてくる新しい信用貨幣のかたちを考察。 ▼充実した執筆陣が、近世〜近代、そして現代の暗号通貨に至るまでのダイナミックな変遷を、多面的に論じ浮き彫りにする。 現代の貨幣システムが形成される経緯を歴史的視点から考える。 近世から近代にかけての日本の貨幣システムの分析を縦糸とし、近代移行期のアジアの他地域における貨幣システムの変化との比較を緯糸として、信用貨幣の生成と進化について論じる。近代の金融システムの中では覆い隠されていた信用貨幣の本質を焙り出し、中央銀行と預金銀行の二層から成る現代の貨幣システムを再検討するうえで示唆を与える。 序章 信用貨幣をみる視点(鎮目雅人:早稲田大学政治経済学術院教授)    第1部 近世日本における貨幣と信用の展開(〜幕末まで) 第1章 16世紀日本における貨幣の発行と流通 ーー銭から三貨への移行を中心に(高木久史:大阪経済大学経済学部教授) 第2章 近世日本の紙幣 ーー小規模藩・三日月藩を中心に(加藤慶一郎:大阪商業大学総合経営学部教授) 第3章 近世紙幣の流通基盤 ーー地域内流動性不足の観点から(岩橋勝:松山大学名誉教授) 第4章 藩札発行における領主の機能(安国良一:住友史料館指導教授) 第5章 近世大坂米市場における価格形成の安定性     (高槻泰郎:神戸大学経済経営研究所准教授)    第2部 近代移行期から現代にかけての信用貨幣の進化(アジアの視点から) 第6章 日本における近代信用貨幣への移行 ーー国立銀行を中心に(鎮目雅人:早稲田大学政治経済学術院教授) 第7章 戦前期における「預金銀行」の実態(靎見誠良:法政大学名誉教授) 第8章 20世紀前半期中国における地域的貨幣と信用    (諸田博昭:山形大学人文社会科学部専任講師) 第9章 両大戦間期のインドにおける通貨制度と金融制度の「再編」     (西村雄志:関西大学経済学部教授) 第10章 貨幣の形態進化と信頼の深化(高屋定美:関西大学商学部教授) 付図 付表A 付表B 執筆者一覧

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(1

starstarstar
star
3.6

読みたい

1

未読

0

読書中

0

既読

1

未指定

1

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー

レビューはありません

Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください