民俗医療の人類学

東南アジアの医療システム

吉田正紀

2000年6月30日

古今書院

3,080円(税込)

人文・思想・社会

筆者はインドネシアの北スマトラ州デリー・スルダン県トビン・ティンギ市およびその近郊農村において、多民族地域における民俗治療者(dukun)とその患者の相互作用について調査・研究を続けてきた。調査地が位置する北スマトラ海岸部は、19世紀末から煙草、ゴム、カカオ、茶、シザル麻、油やしなどのプランテーションが発展し、労働者が多数流入して、多民族社会が形成された地域である。ジャワ人のほか、マレー、カロ・バタック、マンダイリン・バタック、トバ・バタック、シマルングン・バタック、ミナンカバウ、アチェ、バンジャールなどの民族集団が居住しており、それぞれ独自の文化を携えている。以上のような状況の中で、民俗医療文化が相互に交流する舞台が設定される。本書では、そのような地域的状況の中で、個々の民俗医療システムの中核をなす民俗治療者が、異なった民俗医療システムにどのように対応しながら、自らの医療行為を実現しているのか明らかにしたい。また複数医療システムの状況下で、なぜ患者は民俗治療者を利用するのか。また自らの民族の境界を超えるのはどのような状況においてであるのか、患者の医療行動を考察したい。

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