描画テスト・描画療法入門

臨床体験から語る入門とその一歩あと

藤掛明

1999年12月20日

金剛出版

2,640円(税込)

人文・思想・社会

クライエントの描いた絵を前にして、それをどう受け止め、どう読み解いていけばよいのだろう。そもそもクライエントに何を、どのように描いてもらえばよいのだろうか。著者は描画との出会いからその治療的応用にいたるまで、描画臨床を学ぶ過程においてそのような問いに直面し、多くの出会いによって会得してきたことを、多くの具体的な事例やエピソードを通して語っている。臨床家としての体験が紡ぎあわされた本書を読み進むうちに、描画テスト・描画療法の基礎的骨格が自然と浮かび上がってくる。また、臨床家として入門の一歩あとに求められる豊かな肉付けも、著者の経験と実感に基づいて語られているので、きわめて納得しやすいものである。さまざまな領域で描画を用いたアセスメントや治療的接近がさかんになっているが、本書はそのような臨床現場で必ずや身近におかれるべき一書である。

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