自己心理学の臨床と技法

臨床場面におけるやり取り

ジョゼフ・D.リヒテンバーグ / フランク・M.ラクマン

2006年7月31日

金剛出版

5,060円(税込)

人文・思想・社会

本書の最大の特徴は、幼少期に性的虐待を受けたナンシーという女性との10年近くに及ぶやり取り(第3章)の詳細な逐語記録から、分析者の内的思考の変遷や、クライエントの心の動きが生き生きと述べられている点である。さらに「共感」「自己対象体験」といった自己心理学の鍵概念を用いていかに治療をすすめていくかーいかに「治療作用therapeutic action」につなげていくかーを、10の技法の原則に基づいて描き出した点が本書のもう一つの特徴である。そのほかにも、クライエントの「感情affect」を綿密に取り上げること、夢の解釈など、全編にわたって実際に役立つ知見が数多く紹介されている。本書はクライエントの自己感に焦点を当てることによって、機械的なマニュアルではなくアートとしてのセラピーの側面を強調した、自己心理学の技法についてのプラクティカルな指導書である。

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