人間狩り死掛帳

早房秀人斬魔剣

コスミック時代文庫

本庄慧一郎

2003年9月30日

コスミック出版

607円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

今宵あたり、きやつを冥土におくるか…愛刀胴田貫正国を鍔鳴りさせ、大上段から振りおろされた一刀は、男の頭頂を真っ二つに斬撃していた。男は同じ国目付でありながら、江戸市井の善人男女から金を奪い、犯し、殺す野田宗次郎であった。玉円寺の梅林に重い血の香りがたゆたっていた。将軍家光亡き後、幕政の安泰のため中根壱岐守正盛が指揮する国目付ー別名廻国者とよばれる集団に属していた早房だった。江戸はお家取り潰しにあい、禄を失った侍が浪人となって、全国各地から押し寄せ、不隠の動きを見せていた。事件を起こすまえに斬れ!命を受けている早房だったが…。血の匂いを女の肌で消し去りたいと、情女のお志奈のもとに通い、昂る欲望を放出していた。

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