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クスリに殺されない47の心得
体のチカラがよみがえる近藤流「断薬」のススメ
近藤 誠
2015年1月1日
アスコム
1,210円(税込)
美容・暮らし・健康・料理
クスリの9割に病気を治す力はなく、症状をしばらくうやむやにするだけです。体がちょっとでもラクになるならそれでOK?でも、クスリにはかならず副作用があり、年をとるほど、クスリの毒が体にたまりやすくなります。身の回りで「あっちが痛い、こっちもつらい」と言っている人に、聞いてみてください。クスリを山ほど飲んでいるはずです。クスリを飲めば飲むほど、痛みやつらさがひどくなるんです。もっと自分の体を信じ、体の声をよく聞きましょう。クスリから自由になって、元気に長生きするための心得を、本書でお伝えします。
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(無題)
かつて読んだ本の中でこんな一節があったことを思い出しました。五木寛之と渡辺淳一の対談で、五木が渡辺に質問しているんですね。「医学は科学ですか?」これに渡辺が答えられなくて「うーん」と唸っているんです。 私たち現代人は科学的根拠に基づくものには、まず信頼を置きますね。ですから、医学も科学であると思って信頼しているのではないでしょうか。ところが、そうでもないようなんですね。例えば高血圧症を例に取れば、その診断基準は上が140以上、下が90以上だと言うんですね。私はこの数字を見て「アレ」と思いました。何故かというと、上が150以上と覚えていたからです。そして驚く事には、私の記憶違いでは無くて基準が変更されたと言うのです。本書によればルールの変更には何ら科学的な根拠はなく、むしろ基準値を下げることによって高血圧症患者を作り出して製薬会社の利益を上げるためだというのですから呆れます。私達は白衣の権威の前に目くらましにあっていたのでしょうか。著者は血圧が高くても降圧剤を飲む必要はない、と断言します。高齢になれば血管が硬化するので血液を全身にゆきわたらせるには、血圧は高い方が良いのだ、とも言います。書名もショッキングですが本書は、このようにことごとく私達の常識から、かけ離れた主張をします。しかもその理由を聞けば、納得してしまうものばかりです。 高血圧症の場合は、それが直接生命に関わることはありませんので、まあ許されるかもしれませんが、著者はガンで有っても手術や抗がん剤治療を否定します。ましてやがん検診などは被曝のリスクが高いので、百害あって一利なしと切り捨ててしまいます。著者はガンには放置療法が1番のと言うのですが、さあ、この考え方を受け入れるには勇気がいります。誰しも命は惜しいですし、命を救うために最善の処置を望むのは当然の事だからです。 今ではガンは早期発見で100%治癒可能な病気となりました。定期的にがん検診を受けて早期発見に務め、手厚い医療サービスを受けましょう。もう、ガンは怖い病気ではありません。私を始め、多くの人々はこう信じていますよね。ところが著者は真っ向から反論します。ガンが見つかった時には既に転移しているので、手術や抗がん剤治療で辛い思いをするのは意味がないと言います。早期発見でがん細胞が消滅したのは、がんもどきであって元々悪性腫瘍でなかったからだと断言します。その証拠に、治るようになったと言っているが、それではガンによる死亡率が減少したかといえば、変化していない数字が示すとおりだと言います。そう言われればその通りですね。 本書はこのように医学常識に真っ向勝負の連続で、大向こう受けを狙ったキワモノのような印象を受けますが、実は長年に渡って医師として病気や患者と接してきた著者の揺るぎない死生観に基づくものなんですね。例えば、ガンになったら延命のためにバタバタするのではなく、運命を受け入れて残された時間を穏やかに過ごす、最後は食べられなくなってあたかも餓死するように静かな死を迎える、これが死や病に対する自然な対峙の仕方であると言っているように思えました。
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