
アメリカ南部小説論
フォークナーからオコーナーへ
井上 一郎
2012年9月10日
彩流社
2,750円(税込)
小説・エッセイ
アメリカ南部文学はなぜ世界性を獲得したのか? 南部を舞台とした作品を次々に発表したフォークナーのモダニズムに満ちた手法は世界を席巻した。次世代のオコーナーは、アメリカの大衆社会の病巣を鋭く見つめる「ニヒリズムとの闘い」を作品に結実させた…。 「本書は、アメリカ南部小説についての研究をまとめたものである。第1部においては、フォークナーをはじめとした「南部文芸復興」を主導した作家たちの作品、第2部においては、オコーナーの作品を論じている。分量的には圧倒的にオコーナーについての論考が多い。筆者の研究の原点はフォークナーにあり、その意味では、世代を超えた二人の南部作家を中心にして、「南部文芸復興」の意味を考え続けてきたつもりである。」(「序論」より) 序 論 1 ジョージ・W・ケイブルの「ジャン・ア・ポクラン」--南部的問題 ウィリアム・フォークナーの「黒衣の道化師」--神の詐欺師性 ロバート・P・ウォレンの「いちご寒」--現代の「ノアの洪水」 カーソン・マッカラーズの『結婚式のメンバー』--花開いた言葉 2 フラナリー・オコーナーの原風景ーー終末のドラマ 「パーカーの背中」--オコーナーの課題 「黒ん坊の像」との出会いーー南部の町で 「善人はなかなかいない」--ミスフィットは本当に「父親殺し」か 『賢い血』論 序 ニヒリスト 偽説教師 新しいイエス 分 身 自 由
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