祖國正論(1)
保田與重郎文庫
保田与重郎
2002年10月31日
新学社
1,485円(税込)
人文・思想・社会 / 文庫
終戦後の混乱を憂え、国の行末に危惧を抱いた青年たちが、かねてから師と慕う保田与重郎のもとに集って言論結社“まさき会祖国社”を興したのが昭和二十四年、同九月には同社を発行所として同人誌「祖国」が創刊された。以後昭和三十年二月号の終刊まで、同誌は保田の主要な著作発表の舞台となる。執筆者名のない「祖国正論」は同二十五年新年号から連載が始まって、時々の休載をはさみながら昭和二十九年四月号まで続き、一貫して“まさき会祖国社”社説の役割を担った。折から公職追放中だった保田は、署名こそ控えたが、当時の時局や社会・人情に関して真率な反戦後的言論を展開しながら「祖国正論」を書き継ぎ、生き残った文人としての責めを果すとともに矜恃を示した。本書1は二十六年十二月号までの同稿から選んで一冊とした。
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