ドイツは苦悩する

日本とあまりにも似通った問題点についての考察

川口マーン惠美

2004年12月31日

草思社

1,870円(税込)

人文・思想・社会

ひところドイツは福祉大国ともてはやされ、われわれの模範とすべき国とされていた。著者もいうように、メガネも保険でタダでくれるほどだった。年金も失業保険もうらやむべきものだった。ところがである。これらのものがすべてマイナスに働き始めたのである。失業保険をあてに働かない若者を生み、会社負担の社会保険料の値上がりをきらって、企業は人員削減に励み、それが失業を増大させる。そして次にくるのは税の減収である。さらに追い打ちをかけるように決定打がやってくる。東西両ドイツの統一である。国民的昂揚は瞬く間に消え、西側から東側に莫大なお金が流れたが、旧東ドイツは一向に復興しない。堅実なドイツはどこへいったのか。著者はゆらぐドイツを描くことに見事に成功した。まれにみる現代ドイツ論が誕生した。

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