
死にたいのに死ねないので本を読む
絶望するあなたのための読書案内
吉田隼人
2021年11月1日
草思社
1,760円(税込)
小説・エッセイ
ホフマン、ボードレール、マラルメ、ニーチェ、ハイデガー、バタイユ、 藤原定家、上田秋成、波多野精一、九鬼周造、塚本邦雄、三島由紀夫……。 十六歳で自殺未遂を犯してから、文学書、思想書は、著者にとって唯一の心の拠り所であった。 角川短歌賞・現代歌人協会賞受賞の歌人・研究者が、古今東西の名著のエッセンスを、 読書時の記憶を回想するとともに紹介する。 佐々木敦氏(思考家)推薦! 本書を読むと、著者がかつて、重度の反時代的文学少年だったことがわかる。 そして彼は、そのまま大人になった。 「書物への旅」は、書物「と」の旅、書物「から」の旅、でもある。 この「旅」の、なんと蠱惑的で、かつ過酷なことだろうか! <目次より> はしがき 1 記憶ーー十二の断章 一行のボオド「レエル」--『パリの憂愁』 傍観者のエチカーー『エチカ』 存在と弛緩ーー『存在と時間』 記憶の周波数ーー『物質と記憶』 浅茅が宿の朝露ーー『雨月物語』 放課後の物騙りーー『アクアリウムの夜』 コッペリウスの冬ーー『砂男』 雨はライプニッツのようにーー『形而上学叙説』 カフカと父親の話ーー『文学と悪』 かるてしうす異聞ーー『省察』 アナベル・リイ変奏ーー『美しいアナベル・リイ』 書かれざる物語ーー『二人であることの病い』 2 書物への旅ーー批評的エセー 世界は一冊の書物ーー『マラルメ詩集』 ブライヤーは何の花?--『思想のドラマトゥルギー』 木漏れ日の哲学者ーー『喜ばしき知恵』 終る世界のエクリチュールーー『渡辺一夫敗戦日記』 ある自伝の余白にーー『闇屋になりそこねた哲学者』 美とは虚無のまたの名ーー『定家百首』 時間についてのエスキースーー『時と永遠』 劇的人間と劇場型人間ーー『岬にての物語』 視ることのドラマトゥルギーーー『内的体験』 ジル・ド・レ覚書ーー『異端の肖像』 一輪の花の幻ーー『夏の花』 翻訳の悪無限ーー『「いき」の構造』 さよならの不可能性についてーー『さよならを教えて』 あとがきにかえてーー「早稲田の文学と私」
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