一つ半の生命
ソニー・ラブ・タンシ / 樋口裕一
1992年4月1日
新評論
2,989円(税込)
小説・エッセイ
本書は、「絶望の不条理」を実践したるハチャメチャ小説にして、エロあり、グロあり、ゾンビあり、少々の辻褄の合わぬは何のその、世にも快奇なる人物が入り乱れ、近代小説の約束ごとをすべて打ち壊しては、ところせましと動き回る。舞台はカタマラナジーなるアフリカの新興国。あらんかぎりの暴虐をつくす独裁者とがっぷりと4つに組むは、殺されても殺されても甦って歯向かう政敵。そこに、絶世の美女が絡み、あらゆる魑魅魍魎が跋扈して、この世を破滅に導きまする。さてさて、いかにしてこの世が終わり、その後に何が残るかは、最後まで読んでのお楽しみ。さあさ、はじまり、はじまり。神話、黙示録、近未来SF小説などなど、あらゆる小説ジャンルをごたまぜにしたる世にも珍奇なる書のはじまり、はじまり。
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だいすけ
物語はもっと自由でいいのだ
フランス語の問題作。日本語で語りと騙りが同じ音なのはきっと偶然ではない。神話や伝説の信憑性など、議論しても意味はないのだ。余韻はまさにマジックリアリズムの読後感そのものである。 どうも、作者は劇団の人らしく、登場人物が少ないのは戯曲の作成方法に近いからではないだろうか。配役を考えると、登場人物は減らすので。 肉体描写は唯一無二。参考にしていい。
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