瞬間の君臨

世界のスクリーン化と遠近法時空の解体

ポール・ヴィリリオ / 土屋 進

2003年4月15日

新評論

2,640円(税込)

科学・技術

仮想空間が実体化する物理的根拠に迫り、「新しい知覚空間」と権力の関係を読み解く  しばしば語られるグローバル化とは、そうした新しい技術を介して、人びとが、遠近法に代わる新たな知覚空間を受容するプロセスだとも言える。問題は、グローバル化がもたらす「知覚空間」を再編成するプロセスに、権力が介入し、新たな「知覚の政治学」を生み出している点にある。このことを鋭く抉りだしたのが本書である。  著者は本書で最新の物理学まで遡り、新しい物理学像そのものが旧来の遠近法を組み替えるものであることを明らかにしている。そして新しい物理学と結びついた情報技術が、「知覚」というインターフェイスを通して、人びとや社会や意識をどのように再編成しているのかを具体的に描き出す。こうした作業を進める中で、著者は「遠近法」の解体は、権力によるものでも、恣意的なものでもなく、実際には、新しい技術としての情報化に伴い、必然的に生まれるものだという驚くべき事実を明るみに出す。  しばしば語られるグローバル化とは、そうした新しい技術を介して、人びとが、遠近法に代わる新たな知覚空間を受容するプロセスだとも言える。問題は、グローバル化がもたらす「知覚空間」を再編成するプロセスに、権力が介入し、新たな「知覚の政治学」を生み出している点にある。 このことを鋭く抉り出したのが本書である。

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