
「衣食足りて礼節を知る」は誤りか
戦後のマナー・モラルから考える
大倉幸宏
2016年7月1日
新評論
2,200円(税込)
人文・思想・社会
日本は戦後、急速な経済発展を遂げて豊かになった。その一方で、人々の心は貧しくなり、道徳は低下していったーー。今日、多くの人がこうした言い回しを定説のごとくとらえています。とくに近年は、「道徳の低下が顕著になっている」という指摘も少なくありません。実際、それを裏付けるかのような出来事は日々起きています。 一方で、海外との比較において、日本の治安の良さや日本人のマナー・モラルの高さがメディアで取り上げられることがしばしばあります。なかでも、二〇一一年の東日本大震災に際しては、人々が冷静に秩序ある行動をとっていた様子が海外メディアで報じられ、世界中で賞賛の的となったことは記憶に新しいところです。 今日、こうした相反するような言説が並存しています。いったい、日本人のマナー・モラルは高いのでしょうか、低いのでしょうか? もし低いのなら、それは戦後にもたらされたのでしょうか? また、諸外国におけるマナー・モラルの水準は、日本をさらに下回っているのでしょうか? あるいは、今日の日本人の道徳水準は、総体的に見れば十分高い水準にあるのでしょうか? 本書では、こうした疑問を解くため、戦後日本が経済発展を遂げていくなかで、人々のマナー・モラルがどう変化していったのかを考察します。なかでも、日本人が「衣食足りて」の段階へと進んだ昭和三〇年代から四〇年代を中心に、日本社会の状況を分析します。そして、今日の日本人の道徳水準をいかに捉えるべきか、そのメンタリティーにも踏み込みながら、一つの視点を提示します。 なお、本書はご高評をいただいた『「昔はよかった」と言うけれど』の続編にあたります。前書とあわせて読むことで、近代以降の日本人のマナー・モラルについて、より深く理解することができるでしょう。(おおくら・ゆきひろ)
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