ビジネスマンの精神病棟

浅野誠

1990年12月1日

宝島社

1,494円(税込)

美容・暮らし・健康・料理

「仕事中毒」「働き過ぎ症候群」と診断された男たちの背後には、しかし誰にも語ることなく、心の奥深く秘めてきた残酷で哀しく、美しくも気高い「物語」があった。心病める12人の無器用な男たちの人生の軌跡を描く。

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Readeeユーザー

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2.1 2018年01月29日

本書は精神科医による12人の心を病んだ男を主人公にした短編小説集である。著者の筆力は、医者の余芸などといった域をはるかに凌駕する。それぞれの物語の主人公には、病名が付けられているが、単に症例を紹介しているのではなく、一人の企業戦士の生き様、人生の不条理までが描かれている。狂気は決して特別なことではなく、普通の人がたまたまボタンをかけ違えた時に現れる。本書を通底して流れる調べは、男の哀愁である。それは著者の病や患者に対する態度から来ているのだろう。最後に著者の言葉を紹介しておこう。「私が描いた男たちは、彼らなりの愛と冒険の物語を生き、どこか不器用なために破れてしまう」

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