死亡フラグが立ちました!
宝島社文庫
七尾与史
2010年7月20日
宝島社
607円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
“「死神」と呼ばれる殺し屋のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺される”。特ダネを追うライター・陣内は、ある組長の死が、実は死神によるものだと聞く。事故として処理された彼の死を追ううちに、陣内は破天荒な天才投資家・本宮や、組長の仇討ちを誓うヤクザとともに、死神の正体に迫っていく。一方で、退官間近の窓際警部と新人刑事もまた、独自に死神を追い始めていた…。第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
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【とりあえず足元には要注意な】
【とりあえず足元には要注意な】 僕は足元を見た。バナナの皮が落ちていた。。。。 「死神」 大鎌を振りまわす黒マントの骸骨ではない。ある殺し屋の名前である。 死神に狙われたら最後、絶対に逃げられない。ある日突然、ジョーカーのカードが送られてくる。それを受け取った人間はそれから二十四時間以内に必ず死ぬ。そんな噂がまことしやかに流れている。 僕が務めているのは雑誌社だ。その中で会社がつぶれないように支えている雑誌が「アーバンレジェンド」都市伝説などのオカルト誌でコアなファンに支えられている。その中で僕が先月書いた「死神特集」の読者の反応が良かったようで、上司に、限りなく本物をみつけてこい、と命令を受けた。期限内に見つからなければ、確実にクビになるようなことを遠回しに言われ、「都市伝説はガセでした」とか「口裂け女は実在しませんでした」というように、「死神なんて実在しません、ただの噂です」というので終わらせようとしていた僕に追い打ちをかけるように、来月号の特集は「ズバリ!死神の正体」で行こうと思っているから、今までみたいに限りなくホンモノじゃ駄目だと、ダメ押しされた。つまり・・・ホンモノにあって取材してこい、ということだ。死神にコンタクトを取れと言われても、接触方法がわからない、まずはそれを調べることにした。 代議士秘書の交通事故 ヤクザの親分の足を滑らしての死 どちらもジョーカーのカードを受け取って二十四時間に内に死んでいる。 だが、どれもこれも、あまりにもきれいすぎる事故死。 誰がどう見ても完璧な事故死。 それがかえって怪しい。 そう思ったのは、ヤクザの親分の子分である松重、もうじき定年を迎える妄想刑事とあだ名される板橋警部、そして僕。 僕の場合は生活がかかっているから、というのが主に占めているのだが。 にしても、ヤクザの松重さんに取材にいき、とっかかりらしきものを見つけたのだが、まったく謎は謎のままだった。そんな時に僕お得意の「困ったときの本宮さん頼み」が発動する。東大を卒業してから、みすぼらしいアパートに住み続け、定職にもついていない。だが、本宮さんの総資産は軽く百億を超える。未来を予見できる能力にたけているものにとって労働など不毛な消耗に過ぎない。彼は株式投資で元手20万を倍々に増やしていったのだ。ただ学生時代から生活スタイルは変わらないし、チビで不細工な外見、へんなロゴの入ったTシャツに短パンというスタイルから、大金持ちだとは誰も思わない人物だ。何から何までハイパーな人である。 ヤクザの事務所で手に入れた防犯カメラの画像から、親分は緻密に計算され、死亡箇所まで誘導され、バナナの皮で滑って転んで、頭に鈍器がヒットして、死亡した、、、ということがわかった。死神はありとあらゆる偶然が期待されるトラップをいくつも仕掛け、そのどれかにターゲットがぶつかった結果、殺害するという手法を取っていた。どの選択をしても、道中は違うにしても、結果は「死」一点のみだ。ターゲットの行動パターンを知り尽くし、内部に協力者をつくり、多くの時間と手間をかけて、偶然の事故に見せかけて殺している。決して自分のもとにたどり着けないように、依頼が来る場合も仲介を通して、自分の姿を知られないようにしていた。自分に近づきすぎた人間は、偶然という名の殺人で殺される。だから足がつかないのだ。 それでも本宮さんに助けられながら、根気よく取材を続けていった結果、小学校時代の卒業文集に「殺し屋になりたい」と書いた奴がいたことを思い出した。それはある事件で行方不明になりいまも見つかっていない人物だった。 警察官の板橋も若いバディとともに死神の正体に迫っていく。 本当にバナナが凶器なのか? 偶然の事故じゃないのか? どうやったらそんなにも上手く人を誘導できるのだろうか? いくつものトラップを仕掛ける死神に、本宮さんのハイパーな能力は勝てるのだろうか?
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