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知らないではすまされない自衛隊の本当の実力
SB新書
池上 彰 / 「池上彰緊急スペシャル!」制作チーム
2018年2月7日
SBクリエイティブ
880円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
今、日本を取り巻く国際情勢は、北朝鮮のミサイル問題など、とても安心できる状態ではありません。そんな今だからこそ、多くの人たちに知っておいてほしいテーマがあります。それが「日本を守る自衛隊」です。あなたは自衛隊のことをどれだけ知っているでしょうか。知らないではすまされない自衛隊について、基礎の基礎から解説します。
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(無題)
本書はフジテレビで放送された番組の内容を書籍化したものである。テレビ放送には活字に比べて圧倒的な臨場感がある。一方、書籍にはテレビ番組の数倍の情報を詰め込むことができる。つまり、本書の作り方からして、自衛隊の本当の実力について期待したほどの情報は得られないことを言いたのだ。事は軍事情報である。当然機密事項も多いだろうから、防衛省としても、そうそうオープンにはできないのは当然だ。それにしても日本人は、戦後国防を正面から考えることを避けてきた。護憲派と憲法改正派に分かれて双方が自己主張するのみで思考停止に陥っていたようにみえる。これについて池上彰は実に的確でわかりやすい指摘をしている。「仮に日本が他国から攻撃を受けたとしたら、日米安保があるからアメリカが守ってくれる」と考えるのは間違いである、というのだ。他国から攻撃された時に実際に防衛に当たるのは、自衛隊である事は自明の理だ。自国の防衛をキチンと考えていないから、こんな誤解が生じることになる。ドイツやイタリアを上回る世界7位の軍事力を保有していて、国民の意識はこの程度である。 そしてNHK的というか、池上彰的というか、今日的テーマを正面から取り上げ公平な立場から解説する手法は流石である。本書の後半では、国民の素朴な疑問である自衛隊は憲法と矛盾しないのか、あるいは自衛隊誕生の歴史、国際状況の変化と共にどう任務が拡大したのか、歴代の首相は自衛隊をどう捉えてきたかといった、当初のテーマから外れ、安倍首相改憲論に鋭く迫っている。最後に北朝鮮から日本にミサイルが発射された場合のシミレーションが示されている。
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自衛隊の歴史と実像
日本の自衛隊は意外と実像と歴史が知られていないが、全てにおいてかなりアメリカの都合に座右されているのがわかる。独立国の自衛組織(軍隊)としてのありかたについてはもっと議論が必要だろう。
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