響け!ユーフォニアム

宝島社文庫

武田綾乃

2013年12月31日

宝島社

722円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

北宇治高校吹奏楽部は、過去には全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。しかし、新しく赴任した滝昇の厳しい指導のもと、生徒たちは着実に力をつけていった。実際はソロを巡っての争いや、勉強を優先し部活を辞める生徒も出てくるなど、波瀾万丈の毎日。そんななか、いよいよコンクールの日がやってくるー。少女たちの心の成長を描いた青春エンタメ小説。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2019年12月05日

・黄前久美子…主人公。一年。流されやすい性格。ユーフォニアムを長いことやっていて、実力は夏紀を上回る。決定的場面に遭遇しすぎて家政婦かよと思った。 ・緑輝…さふぁいあ。一年。強豪の女子校出身のコントラバス。図太い感覚派 ・葉月…初心者。チューバ担当だが、作中では一切吹いてない(謎ステップも分からずじまい)。秀一が好きで、久美子を利用しようという下心を反省する。サークルクラッシャーみたいな性格じゃなくて本当に良かった。 ・田中あすか…音楽オタクのスーパーマン。三年ユーフォニアム。スーパーマンというより好きがのめっているだけで、人より努力ができるだけな気もする。人に対してシビアなのが良い。本人は副部長だからと言っているが、人間に興味がない、しかも周りの人間に畏怖を持たせることができるという最強キャラっぷりよ(久美子が雑魚という見方もある)。そのうち人との協業の壁にぶち当たったときにどうするのかは見もの。 ・夏紀…二年。元初心者のユーフォニアム。謎ステップ経験者。データで考えれば漏れるのは当然なのだが、この人の諦観には心が動かされる。胸が痛くなるというか。70人規模の部活故にこのポジションなのだろうが、終始脇役に徹するキャラのこの雑な使い方は勿体ない(多用したらしたでマズいのだが)。 ・小笠原…三年。部長。パートは覚えてない。あすかが好きなのはわかったが、この人何も変わってない。冷たい目をするあすかを演出するための餌キャラに成り下がっている。 ・香織…三年、トランペット。麗奈とのソロパート争いに敗れる。慣例が破られて負けたのではなく、きちんと実力で負けたいという強さを感じる。容貌は可愛いらしいが、取り巻きを作る以外の作用しか成しておらずうまく描ききれなかったか。 ・葵…久美子の先輩。3年。オーディション前に退部する。いいキャラだと思う。オーディションに漏れる夏紀とは違う形でAチームから姿を消すのだが、それが幅となって選択の広がりや「Aチームに受かること」に意味を持たせている。久美子が壁にぶつかったときに街で遭遇して立ち上がらせてほしい。 ・秀一…幼馴染。一年。なんともキャラが雑。葉月に告られるも振る。久美子とは相思相愛っぽいが、青春モノの恋愛要素にしてはやや過剰か。こいつをこれ以上広げるならテーマごと覆さないと納得いかないぞ。 ・滝…顧問。父親が北宇治高校の黄金時代を築き、衰退した部活動を変える。久美子が主人公だと嗚咽とかしてくれないだろうけど、夜の校舎鍵管理のあたりでもっと打ち明けてほしかった。掘り下げの足りなさを感じる、 ・麗奈…一年トランペットにしてソロパート争いに勝利する。滝のことが好きなのは何となくわかっていたが、久美子を気にしていたとは。思わぬ嬉しい誤算である。不敵な態度で久美子をすくい上げるさまを予測するのは痛快である。作中一、二を争う好きなキャラ。 副顧問や梓など、もっと多くの面白そうなキャラがいるが、多すぎて一人一人を描き切れていない印象。

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