寝起きの悪い定休日

Dear diary1

富士見ミステリー文庫

新井輝

2004年2月29日

富士見書房

594円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

「で、優姉の将来の夢ってなんなの?」正吾は何とはなしに、聞いた。「うーん…それを話すときっと正ちゃんを苦しめることになると思うんだ…」優子は、少しゆっくりとした口調で応えた。日曜日の昼間。時間をもてあました正吾は、従姉妹の優子のもとを訪れる。定食屋さんの定休日、少しゆったりとした時間の流れの中。優姉に作ってもらったオムライスは、優しくそして少し甘く正吾の喉をふわっとおりていく。そして、語られる優子の夢ー。それは、小さいけれども、とてもとても素敵な夢だった。(「寝起きの悪い定休日」より)DEARの中で語られることのなかった、正吾とそして友人たちの友情や恋愛ーそれは、時空の歪みの外にあり決して失われない日常の何気ないひとこまだった…。大好評タイム・ループ・ミステリーの初短編集。

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