傷ついても愛したい
シルエット・ディザイア
アン・マリ・ウィンストン / 石川園枝
1995年7月31日
ハーパーコリンズ・ジャパン
651円(税込)
小説・エッセイ / 新書
「ぼくと結婚すればいいんだ。結婚はお互いのためになると思うんだ」トムの突然のプロポーズに、タニスはただ茫然とするばかりだった。トムの妻でタニスの親友だったメアリーが死んでもう三年になる。彼は自分や子供たちの世話をしてくれる女性を必要としていた。彼と結婚すれば夢に見た“温かい家庭”を手に入れることができる。それにもう、母の老人ホームの費用に頭を悩まされずにすむ…。この結婚には愛などというばかげた幻想がないからかえってうまくいくはずだと彼は言うが、タニスは迷った。なぜなら彼女が一番求めていたものは、トムの愛だったからだ。八年前、初めて会ったときからひそかに彼のことを思い続けてきた。たとえトムに愛されないとわかっていても、彼や彼の家族を幸せにすることはできるのかもしれない。タニスはトムからの“契約結婚”の申し出を受け入れる決意をした。
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自己中男とドアマット女
タニスが夜に外のジャグジーに入っている所を毎晩覗き見している変態男トム。なにが問題かというと、彼は妻亡き後、子供2人もいてしかもタニスにはいつも無関心を決め込んでいた。ある日、タニスがお金に困っていると知って、ベビーシッターの仕事、つまり自分の家へ来るように提案する。トムの目的は、反抗期の娘エイミーの懐柔とタニスの身体。はっきり言ってトムは最低男。堂々とタニスに「体だけの関係ならいいだろう?」とほざく。その後、母親の老人ホームのために教師とウエイトレスを掛け持ちする。しかし体を壊してトムに看病される羽目になる。ようやく身体が回復したタニスにプロポーズするトム。2人は結婚式を上げるまでは禁欲を貫くと約束する。プロポーズを受けたタニスはそのあと母親の老人ホームに行き、母親が痴呆症だと知る。結婚式当日に、なんといつも仕事で着るタキシードを着てきたあげく、家に帰ると「仕事をする!」と言って書斎に籠るカスのトム。それでタニスが客室で寝ようとすると「今日は初夜だぞ!」と怒る。この情緒不安定男。無事に初夜を迎えたものの、相変わらずタニスを都合のいいベッドの相手兼家政婦としか扱わないトム。しまいには「君は、死んだ妻の友達だったのに、治療を受けさせなかった!僕に惹かれていた君にとってその方が都合が良かったから!」と見当違いの怒りをぶつける。ドアマット系タニスは全てそれを許す。更にトムはタニスから「愛してる」と言わせ、自分は言わない。正直いうと2人とも不愉快。ある日、トムの娘エイミーが初潮を迎えた。その事を知らせなかったタニスに激怒するトム。最後はトムのおなざりの「愛してる」っていえば許されると思ってる態度に腹立った。全体的にカス。
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