みんなの評価(3)
starstarstarstarstar
読みたい
7
未読
2
読書中
1
既読
42
未指定
49
登録しました。
close
![readee logo image](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/readee-app-front-assets/assets/images/web/logo/lg_readee.png)
ログイン
Readeeのメインアカウントで
ログインしてください
Readeeへの新規登録は
アプリからお願いします
- Webからの新規登録はできません。
- Facebook、Twitterでのログイ
ンは準備中で、現在ご利用できませ
ん。
シェア
X
![](https://d.line-scdn.net/r/web/social-plugin/img/common/line_60.png)
LINE
リンク
楽天ブックスサイト
楽天ブックスアプリ
© Rakuten Group, Inc.
キーワードは1文字以上で検索してください
Readeeユーザー
老い、を描いた幼児絵本の傑作
まずパッと見であれっ?と気づくことがある。これ、そもそも紙に描いてないよね。なにに描いてる?どうやら梱包材としてよく使われるプラスチック系の段ボールらしい。あれを画材として絵を描いているのね。でもプラスチックに?普通のインクじゃ弾かれちゃうはず。どんな絵の具使って描いたんだろう?そもそもなぜこれに? でもこの、半透明の画材に描いているからこそ生まれる悠久とした風雅な感じがいい。そしてもうひとつの大きな特徴。主人公の男のエンさんの中国風の服、パンダのファンファン、簑に合羽、そして桂林のような風景…とことん中国風の絵なのよね。そこも気になる。この作家さんのスタイルなのかな。 繰り返し形式の一見おだやかな幼児絵本だが、よくよく読んでみるとなんだか泣けてくるような。おなかが痛いとファンファンが泣くたびに自転車で山を越えてお医者さんに通う日々・・・それがいつしか、あの小さくて弱々しくていつも泣いていたパンダがすっかり大きくたくましくなって、そしてエンさんのほうは逆にすっかり年老いて、今度はファンファンがエンさんを自転車に乗せて医者がよい── このパンダをふつうに人間の子供として見れば、その子供がやがて大きくなって、いつしか自分の年老いた両親の面倒を見るようになる、というふうに捉えればなおわかりやすい。これは、成長と老いのものがたり。みんなこうして親や大人に迷惑をかけながら成長し、大人になり、そして今度は幼いころさんざん世話になった親への恩返しのように、年老いた親の介護なり面倒を見るようになる。それを幼児向けに心地よく、ほっこりとした物語に仕立てている。 老い、を描いた幼児絵本としては傑作かも。しみじみと心に沁みてくる。幼児向けらしいシンプルなおはなしに書かれているからこそ、逆にちょっと年齢重ねた人には響く。最後の場面がいい。また絵のイメージということもあり、どこか映画『山の郵便配達』を思い出させる。
全部を表示
いいね0件