エレクトリック・マイルス1972-1975

〈ジャズの帝王〉が奏でた栄光と終焉の真相

ワニブックス〈plus〉新書

中山康樹

2010年6月30日

ワニ・プラス

880円(税込)

エンタメ・ゲーム / 新書

数々の名曲、名演奏によって多くのファンの心を鷲掴みにしてきたまごうことなき“ジャズの帝王”マイルス・デイヴィスは、1970年代、エレクトリックなサウンドへのシフト・チェンジによって、過激にして過酷な運命を辿る。その地底の最深部から宇宙の果てに至る空間を圧縮させたようなスケールと密度の音楽表現に秘められた変遷の謎を、マイルス研究の第一人者が周到な調査と徹底した聴取による分析で解き明かす。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

元スイングジャーナル編集長の音楽評論家だけどこの人の書くものがけっこう好きなので手にとってみた。帝王マイルスの、作品で言うと「オン・ザ・コーナー」から「パンゲア」まで、いわゆるジミ・ヘンドリクスとスライ・ストーンに影響を受けたとされる時代について本人と関係者の証言から何が行われていたのか、を解明しようとした作品。マイルス・デイビスはメジャーな会社から出てる作品は一通り全部持ってるアーティストの一人で個人的には凄く好きなんだが、特に賛否が分かれるこの時代の諸作品について個人的には好きだと言ってたのだけどそれはたぶんに「そう言ってたほうがかっこいい」みたいな見栄というかなんか頭で聴いてたな、という反省もあって今回読書と共に久しぶりに聴きなおしてみた。多重録音だったり大人数でドヒャーと訳のわからないことをやっている、という印象だったのだけど改めて聴くと全然真っ当な音楽でフリージャズの類いとは一線を画していることが分かった(フリーもけっこう好きなんだけど)。ド素人なので的外れな事を言ってるのかもしれないがコード分解のバップからスケール中心のモードと来たマイルスが次に取り組んだのがリズムで、ドラムが4分の4のところにパーカッションが8分の6にギターがまた別の拍子で二番目のギターはまた別の、といった感じでどんどん人数が増えていって…という感じ。その意味では影響を受けたのは間違いないだろうけどジミやスライとはまた違った方向に進んで行こうとしていた、という本作の指摘はよく理解できる。酷評にも全く動じることなく己の信ずる道を行く姿は帝王の帝王たる由縁という印象でやはりかっこいい。巻末の関連ディスコグラフィーも楽しくて~Apple Musicに入ってるから聴き放題!(笑)〜凄く楽しく読めました。

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