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(無題)
このところ、どうも重い本ばかり読んできたので気分転換に本書を読んで見た。辺境作家の高野秀行が著者であるので、そちらの方面では期待を損なわなかった。本書は著者が上智大学で行なった「東南アジア文化論」の講義が元になっている。東南アジアを生で体験している人々をゲストに呼んで話を聞く形式をとったが、そのゲストは、現地で会社を興したり、組織に属さずフリーで仕事をしているユニークな人たちばかり。時には失敗も重ねながら、自分のやりたいことを実現しつつ人生を切り開いてきた彼らの話が、就職活動中の学生を励ますのにピッタリということもあって、本自体も一応そういう体裁でまとめられているが、もちろん学生に限らず、誰でも笑いながらサラッと読める内容になっている。著者はこの本のゲストを「やってしまった人たち」と呼んでいる。考えているだけでなく、何かのきっかけで実際に行動に移し、その結果、多くの物事は案外、見かけよりも簡単に実現できるという事なのだろうか。
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