分解する
リディア・デイヴィス / 岸本佐知子
2016年6月20日
作品社
2,090円(税込)
小説・エッセイ
リディア・デイヴィスの記念すべき処女作品集!「アメリカ文学の静かな巨人」のユニークな小説世界はここから始まった。
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toruo
(無題)
アメリカ文学界の静かな巨人とか帯にあってどんなもんかということでデビュー作のこの短編集を。知らなかったけどポール・オースターの別れた奥さんなのね。 数行のものから数ページのものまで、予想したよりオーソドックスな作風で前衛っぽいのが少しだけ。 表題作は彼女と別れた男が付き合っていた時期の費用対効果を考え出すのだがそうやって理屈で割り切ろうとすればするほど思い出や悲しみがつのっていく、というもので話の転換のスムーズさが見事。そういうシリアスなものに例えば、下手くそなフランス語講座の描写〜作者は高名な英仏翻訳家でもあるらしい〜のユーモラスな作品などが適度にはさまっていい具合。機会があれば長編も読んでみたいと思った。
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