カッシーラーのシンボル哲学
言語・神話・科学に関する考察
齊藤伸
2011年9月15日
知泉書館
5,500円(税込)
人文・思想・社会
エルンスト・カッシーラーの主著『シンボル形式の哲学』は「言語」「神話的思考」「認識の現象学」の三つの主題によって構成される。著者は関連する文献をも駆使して本書を読解することにより、その全体像を初めて本格的に解明する。まず「言語」ではヘルダーやフンボルトの言語論の影響を通して、シンボルとしての言語がいかに文化的生活を可能にする根源的な力であるかを明らかにする。「神話的思考」については、シンボル哲学全体を基礎づける自然的シンボル機能を検討し、言語と神話の起源を考察することによりシンボル形式の原始状態としての「神話的思考」の特質を考察する。「認識の現象学」では、人間文化の最高にして最も特徴的な成果である科学および科学的思考を、それとは対照的な神話的思考と比較しつつ、シンボル形式との関連を追究することにより、新たな認識の道を切り開く。
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