スーパーマン：アンチェインド

テロリスト集団「アセンション」が人工衛星8基を地球に落下させる事件が起き、それを寸前の所で防いだスーパーマン(クラーク・ケント)。 しかしその内の1つの衛星は何者かによって未然に撃墜を回避していた。 それを不可解に思ったスーパーマンは捜査に乗り出し、バットマンの力をも借りて何者かはユタ州にいることを突き止める。 謎を解くためユタ州にやって来たスーパーマンの前にクラーク・ケントの想い人の「ロイス・レーン」の父の「サム・レーン将軍」が現れる。 レーン将軍は謎の人物の正体を調べるのをやめるようにスーパーマンに促すも、聞き入れないスーパーマンに対し攻撃を始める。 対スーパーマン専用の兵器を使用され劣勢になるスーパーマン、しかしそこにアメリカ軍の秘密組織「ザ・マシン」に所属するもう一人のスーパーマン「レイス」が現れる。 レイスに助けられたスーパーマンは、その後、「アセンション」の起こした事件に二人で対処する事になるも、レイスはスーパーマンを殺さなければならないと言い放つ…。 スーパーマンと同じ様に太陽エネルギーでスーパーパワーを発揮し、スーパーマン以上の戦闘能力を持ち、自国(アメリカ)のためだけに任務を遂行するもう一人のスーパーマン「レイス」と、世界中全ての人類を守るために活動するスーパーマンの戦い。 こう書くとにスーパーマンの方が崇高な理念を持っているかの様に見えるが、作中では独裁者や軍閥に支配されている国々への介入が消極的なのを問い詰められ言い返せなかったりしている。 言い換えると強力なスーパーパワーを持ちながらいつまでも敵わない全人類の幸せという理想を追いかけながら人々を延々と助けるスーパーマンと、現実的に目に見える自国だけの幸せを願い、自国の人々だけを救うレイスという対比構造になっている。 どちらも正解であり不正解でもあるような両極端な正義同士の戦いが熱い！ 軍艦を持ち上げ投げつけたり、投げ飛ばせばいくつも山を貫いて吹き飛んだりとスーパーマンでしか見れない大迫力のバトルが見もの。 そして最後の決着の所はベタで何度も同じ様な展開を見たことあるけど、何度見ても面白い少年誌的な展開で面白い！ スーパーマンをよく知らなくても問題ない作品のため初心者にオススメな一冊。