人類の悲しみと対峙するダークツーリズム入門ガイド
いろは出版株式会社
2016年6月30日
いろは出版
1,540円(税込)
旅行・留学・アウトドア / 人文・思想・社会
この本は、世界中に点在する、戦争、迫害、破壊、災害、虐殺、社会差別などの人類の悲しみの現場と対峙する「ダークツーリズム」のガイドブックです。誰もが知る有名な場所からマイナーな場所まで、36ヵ所のスポットを選び、見どころやモデルプランなどの旅行情報を掲載しました。また、その場所にまつわる基礎的な歴史解説をしていますので、読み物としても楽しめるようになっています。
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むしろ海外旅行や歴史嫌いの人におすすめ
ダークツーリズムの代表例を問われれば、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所、チェルノブイリ原発、広島ドームを挙げる人は多いだろう。ではそれ以外は? 本書は上記以外に33ヶ所もの目的地を提案する。キリングフィールドや軍艦等比較的知られているものもあれば、アルバニアやデトロイト等、中にはまったく知らなかった、ないしダークツーリズムの目的地としては意外性のある場所も多数紹介されている。それぞれの場所がどのような意味合いにおいて「ダーク」であるのか簡潔に併記されている。 私は海外旅行が好きではなかったが、本書を読みその理由がわかった。華々しい都市やかつての栄華の痕跡を残す歴史的建造物に興味が無いのだ。それらは即席の関心を呼び起こすものの、心に爪痕を残さない。負の歴史を直視することは人類ひいては自分の陰を見つめる契機となる。持続的な関心の的であり続ける。 むしろ海外旅行や歴史嫌いの人にこそ薦めたい。反転してそれらのことが好きになるかもしれない。
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