海を渡った人形使節

国際人形交流から見た近代史

ベレジコワ・タチアナ(BerezikovaTatiana)

2021年8月30日

大阪大学出版会

4,510円(税込)

人文・思想・社会

国際人形交流という視点から描く、新しい近代史! 「友情の印」、「無邪気な国民外交」として派遣された、声なき人形使節たち。渋沢栄一、松平恆雄、ロシア皇帝、各国の少年赤十字団員、ニューヨーク市長、満洲国執政、イギリス女王ーー人形に魅了され、期待した人々の思惑とその歴史を繙く。 本書は、近代日本における国際人形交流の歴史を明らかにするものである。明治時代以降の日本における人形をめぐる思想の変化を分析することで、人形がどのように新しい文化的役割を担っていったかを示した。また、人形をめぐる国際関係の展開を丁寧に追い、現在まで全く注目されてこなかった少年赤十字の国際人形交流への貢献、国際人形交流の前例となった、「フランス流の玩具外交」の事例等のヨーロッパ諸国の間の人形贈呈の歴史とのつながりについても考察する。近代において人形は国際関係を改善する存在として期待され、大きな力を持っていたものとして認識されていたことを示唆した。 凡例 はじめに 第1章 人形の近代的役割 1.教育と人形 2.貿易と人形と玩具 3.人形玩具趣味 4.雛祭りの新しい役割 第2章 国際人形交流の揺籃 1.ファッション特使 2.フランス流の玩具外交 3.人形の国際贈呈から子どもたちの交流へ 4.「日米親善人形交流」 第3章 少年赤十字の役割 1.少年赤十字の創立と国際通信交換の始まり 2.日本少年赤十字の発展 3.人形交流の始まり 4.交流の発展 5.交流の規模 第4章 人形交流の普及 1.常磐松高等女学校 2.日本YWCA 3.日本の玩具業界 4.帝国児童教育会 5.交流の拡大の理由 第5章 人形外交への展開 1.「日満親善人形使節」 2.アメリカからの人形夫婦の訪日 3.パリへ贈られたミス東京 4.「防共親善人形」 5.フランス流の玩具外交の復興 終章 あとがき 参考文献 索引

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